映画「ハウス・ジャック・ビルド」海外感想・評判まとめ【賛否両論】

The House That Jack Built

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、「ニンフォマニアック」の鬼才ラース・フォン・トリアー監督の新作のご紹介です。
すでに他国では公開されているため、感想や評判を拾ってまとめました。

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2019年6月14日R18+未修正版が日本公開の本作、基本情報

監督・脚本
ラース・フォン・トリアー
原案
Jenle Hallund
公開
2018年5月14日 (仏)(カンヌ国際映画祭)
2018年11月29日(デンマーク)
2018年12月14日(米)
2019年6月14日(日)
上映時間
155分
製作国
デンマーク
フランス
ドイツ
スウェーデン
出演者
ジャック-マット・ディロン
ウェルギ-ブルーノ・ガンツ
女性1-ユマ・サーマン
女性2-シオバン・ファロン
女性3-ソフィー・グローベール
シンプル-ライリー・キーオ
アル-ジェレミー・デイビス
エド-エドワード・スペリーアス

強迫性障害の殺人鬼、ジャック。12年間の告白。 マット・ディロン ブルーノ・ガンツ ユマ・サーマン シオバン・ファロン ソフィー・グローベール ライリー・キーオ ジェレミー・デイビス

殺人をアートと認識するシリアルキラー、ジャックの葛藤と欲望を描いた作品

「あらすじ」
1970年代、アメリカワシントン州。建築家を夢見る独身技師ジャックは、あるきっかけから、アートを創作するかのように殺人に没頭するようになる。そんな理性と狂気を併せ持ったシリアルキラーが「ジャックの家」を建てるまでの12年間の軌跡を、5つのエピソードを通して描き出す。

批評家の感想

ロッテントマト57%,平均スコアは8.1/10
ロッテントマトの批評家総コメント120
フレッシュ(高評価)69
ロッテン(低評価)51メタスコア 42/100点
メタスコア批評家総コメント20

映像的に、暴力的でサディスティックな描写が頻出する作品です。凶暴な暴力、拷問、残酷さにカンヌ映画祭では上映中に倒れた者が100人以上いました。しかし、そういったショッキングなエピソードとは対照的に批評家筋の評価はなかなか厳しいものが並んでいます。

多かった感想キーワードを抜粋して紹介します。

【酷評】
・連続殺人犯ジャックのキャラクター像が、Verge(Bruno Ganz)と名付けられた目に見えない男との会話というより独白(ナレーション)によって語られるのが退屈。

・観客に衝撃を与えるのがラース・フォン・トリアー監督のいつもの手法だが、本作のそれは残忍なだけでショッキングではない。

・少数の批評家は2時間半の中に収められた暴力の量に悩まされたが、それでも彼に期待するだけの衝撃を受けることはできなかった。

・本作は、トリアーが実際に行なっているようなサイコパスとしてのアーティストの肖像画であると同時にその挑発に失敗した作品。

【賛美】
・マット・ディロンの説得力のあるパフォーマンス。奇妙で暗いユーモアの表現が見事だった。

・音楽がとても作品にマッチしている。

・トリアー作品の累計作の中でも特に「女嫌い」と「人嫌い」の部分にフォーカスした主張を感じる作品。彼は自身の暗い面を自ら尋問して暗黒街に自分自身を追放する。本作を観ることで、彼と一緒に深淵を覗くような気持ちになる。

【どちらとも言えない】
・この作品はラース・フォン・トリアー自身を最も自白している作品である。

・本作はアートとアーティストについての哲学、そしてアートを神にするものに対する一つの回答。

ラース・フォン・トリアー監督作品に批評家が求めているのは、衝撃的な映画体験であり、その意味で残虐なサディスティックな描写だけでは十分ではない。という意味の感想が多かったです。

また、本作はラース・フォン・トリアーの自画像であり、ジャックが一人語りを繰り返すような演出が退屈と感じた人もまた多数見受けられました。

一般客の感想

ロッテントマト68%,平均スコアは3.6/5
ロッテントマト一般客総コメント数1186(レビューは賛否両論)メタスコア 7.0/10
メタスコア総コメント75

IMDb 6.9/10点
IMDb感想数32,060件

一般客の反応の方が、やや評価が上向きになりますがそのレビューは批評家同様賛否両論真っ二つです。

【酷評】
・最後半分はより気味が悪く意味がないように感じた。マット・ディランがどういう方向に行きたいのか、次の彼の出演映画を見るのが怖い!

・女性が非常に暴力的で写実的な方法で殺害される映画。

・宗教的な話や絵画が多すぎると、ドキュメンタリー映画のように感じる。それが原因で映画のパフォーマンスが低下しています。

・暴力を衝撃的な形で見せるのであれば、特定の美的、哲学的、または物語的アプローチに役立つべきですが本作では、残虐行為の背後にある意味を見出すことができなかった。

【賛美】
・ヒステリックで挑発的。豊かな自己反省の一片で彼のキャリアの頂点に到達した作品。

・残忍で、心の弱い人には向かない。それでも私はこの面白いストーリーと芸術的な工夫により楽しむことができた。

・私が今まで見た中で最もインテリジェントなシリアルキラー映画の1つ。

・マット・ディロンのパフォーマンは素晴らしい。ジャックの強迫観念、喜び、狂気の病を表現した新たなマット・ディロンの役柄が誕生した。

【どちらとも言えない】
・芸術についての全く新しい見方を教えてくれた。芸術家がどのようにして自身の生涯にわたる傑作を産み出すために苦心しているかを捉えた映画。

酷評は、批評家筋と同じく長くて退屈、残忍過ぎるという感想が目立ちました。
対して賛美の方は、芸術的で挑発的な作品、マット・ディロンの演技が素晴らしいとの声が多かったです。

まとめ

本作は、非常に残忍でサディズムに満ちているフィルムです。
また、モノローグの中でキャラクター像を浮かび上がらせる手法を使っており、その内容は象徴的で、芸術や政治など多岐に渡る一見、犯罪と噛み合わない内容です。
そういった深読みや考察を好む方にとって本作は楽しめる作品です。

しかし、女性が残忍に殺される作品でもありそういった要素に嫌悪感を感じる方にとっては最後まで嫌悪感が拭えない嫌な作品になってしまうかもしれません。

役者については、マット・ディロンの演技が見ものですが、従来のマット・ディロン「メリーに首ったけ」「クラッシュ」などの作品を期待して行くと異なった印象を持つので注意が必要です。ユマ・サーマンも同様です。

良くも悪くも演出も内面描写もラース・フォン・トリアー節全開の作品です。
何より日本では未修正版です。一体今作では、どんな悪意を描いた作品になっているのか!?逆に楽しみです!

日本公開は、6/14。

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