映画Vフォー・ヴェンデッタ 大好き感想・考察「VとEVの革命とは何を指すのか?」

※結構ネタバレ致します。

Vフォー・ヴェンデッタ公開ポスター

友人の勧めで観ましたが、最高!!
というより面白かったの一言で片づけてしまうには惜しいほどの魅力がつまった作品だった。
すぐに、アマゾンでレビューを読み漁り原作のアラン・ムーアのアメコミも買ってしまった位だ!もっともっと語られるべき作品だと思う。

「3秒あらすじ」
一人の男が「V」という化物に、生まれ変わり、そしてその化物が復讐と革命の途上で一人の女性に出逢い、愛を知り人間に還るお話。

観終わった後、すぐに思いついたのは昨年公開されたダークナイトライジングだった。
僕は本作の「V]こそ、ライジングに出て来て欲しい悪役だった。

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「V」のキャラクターが隅から隅まで最高!

”個人の復讐に寄りながら、市民を味方にし社会全体の革命を促す男”
個人のエピソードにおいては岩窟王モンテ・クリスト伯の持つ鋼の復讐心と、革命家としては1605年英国王暗殺を企てたガイ・フォークス(史実)の燃えたぎる革命の情熱をモチーフにして生まれたダークヒーローが「V」だ。
この歪んだ正義を「理念」という言葉に置き換え、1mmもぶれずに事に向かって邁進する「V」というキャラクターの魅力たるや凄まじい。

世界観の重厚さと矛盾に満ちたリアルさが引き込まれる

圧政と権力にまみれた腐敗国家「英国」が本作の舞台背景であり、世界である。
ジョージ・オーウェルの1987年ほど、貧困ではないが管理社会という意味ではそれに匹敵するディストピア国家システム。
これこそを悪とし戦う「V」を強調しながらも、本作は真の悪者が誰かを口にはしない。それを断じてしまう事の浅薄さを本作は十分に理解している。
そういった意味で、「ダークナイト」と結びつくのだ。
バットマンことブルースウェインが信じる「正義」と「V」が信じその為に悪を成す「正義」。国家を巻き込んだその対立こそ「戦争」のからくりだ。
私はバットマンの最後はそんなテーマを期待していた。
バットマンはヒーローを描いて終わったが、本作は私の期待に120%応えてくれた。

「V」を演じるヒューゴ・ウィービングの圧巻の演技力

仮面の男「Ⅴ」。表情なくしてこの好演はもう圧巻の一言である。
詩をそらんじるかのようにリズミカルに語るかと思えば、テンポをあげ唸るように
感情をまくしたて、嘲笑するかのように笑い、また紳士のように穏やかに丁寧に話す。
この緩急、原作のVにはない息吹を吹き込んでくれた彼に敬意を表したい。
原作ももちろん素晴らしいが、私は映画を推したい!
彼とナタリー、主演二人があまりにも素晴らしいからだ!

「EV]演じるナタリーポートマンの美しさ

ブラックスワンを観ても感じたけれど演技が上手すぎるので,そういう視点で観ない事が多いけれど、本作のナタリーは本当に綺麗だった。(もちろん本作のナタリーの演技も凄かった)
出だしの化粧映えする美しさ、ドレス映えする美しさから、囚われて坊主になっても、囚人服になっても美しい。
どんな境遇に置いても美しさを損なわない「EV」という女性を見事に演じ切っていた。
美しさとは何か?という事にも本作が言及し、演出、強化を施していたかもしれない。
獄中の”ヴァレリーの手紙”はそれほどに切なく、力を秘めていた。
映画はやはり美しいヒロインがいるといないとでは観後感には、雲泥の差があると個人的には思ってしまった。

台詞がマジでカッコいい!!

私はシーンも大好きですが、何より台詞が大好物。
カッコいい台詞が出てくる作品はもう必ずマイフェイバリットです!
タランティーノ作品は大体そこが大好きな点!
本作もフェイバリットとしてあげたいのは、この台詞の良さ!
鋭さ!深さ!韻を踏んだカッコよさ。皮肉の効いたクールさ。

ファーストシーン、入りのいっちゃん印象的な部分
「remember remember 5th november」という台詞から始まります。
既にクールです。めちゃ韻を踏みつつ、ガイフォークスの命日を忘れるなと語る。
Vにとってのモチーフであるガイフォークスを印象付けつつ、その語り出しは壇上に立つ革命家のそれのような、詩人の歌うような響きも同時に持ち合わせているんです!まさにVというキャラクターらしい言葉なんです!ファーストシーンから既にファンタスティックです。
クールながら実に意味深長たる語り出しです。

本作の台詞は本当に深く、力強く魅力的だ。
「人より、その”理念”が大事と言う。人は失敗し殺され、捕まり、忘れ去られるから」
「だが、それはキスする事は出来ない。抱きしめる事も、愛する事も出来ない」

「誰?目はいいようだが仮面の男に誰と聞くのは愚問だな」

「中央刑事裁判所に捧げよう。休暇を取って不在の正義と代わりに住み着いた偽善に敬意を表してー」

ここまで抜き出したので10分/131分の中のカッコいい台詞達です。正直台詞だけをあげつらってこの台詞も、この台詞も、この台詞も良かったと言いたいところだが、見た時の新鮮な感動がなくなってしまうので触りだけにする。
とにかくお洒落でクールで、骨太で、美しい台詞が溢れている。

VとEVのラブストーリー

復讐劇と革命をテーマにおきながら本映画はラブストーリーでもある。
マクロには破壊を、ミクロには再生を描き切った本作は本当に素晴らしい。

まとめ

腐敗した政治に警鐘を示すと同時に、傲慢で理不尽な圧政に対する復讐劇でもあり
また腐敗した世界の中でこそ花開きまばゆい輝きを見せた”価値のあるもの”
冒頭に指し示した”理念”と”人”が持つ美しさと切なさを同時に描いた傑作である。

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