popcorn映画「simplife」上映会・感想(ネタバレ無)

simplifeポスター

2016年以降日本でもブームとなっている、ミニマルライフ、タイニーハウス。必要以上のものを持たない生き方、自分のスタイルに合わせた暮らしの為に家をつくり住む人々を追ったドキュメンタリー作品。
一体どんな人に観て欲しいか、どんな観後感を得たのかをご案内いたします。

スポンサーリンク

基本情報

監督・編集:
Ben Matsunaga
プロデューサー:
Yuichi Takeuchi
音楽:
Gen Tatabe
音響:
Junnosuke Okita
美術監督:
Makoto Tsuchiya
webデザイン:
Keita Suzuki
アートワーク:
Akiko Naito
製作年:
2016年
出演:
Alek Lisefski / Andrew & Gabriell a & Terra / Ben Campbell / Deb & Kol / Dee Williams / Derin Williams / Jay Shafer / Jenna & Guillaume / Joan Grimm / Karin Mandell Parramore / Lina Menard / Lloyd Kahn / Tamy & Logan / Todd Miller / Tony Diethelm 

あらすじ
simplifeは、「身の丈の暮らし」をテーマにしたロードムービー。アメリカ西海岸で広がりを見せる「タイニーハウス・ムーブメント」のパイオニアたちを訪ね、小さな暮らしや多様なライフスタイル、コミュニティとの共生など、新しい幸せのカタチをさがしにいきました。様々な理由からタイニーハウスを選択した人たちの暮らしはとても個性的。ものを手放したことで、たくさんの自由を手に入れることに成功しています。そんな人たちの言葉や暮らしの景色から、自分らしく生きるためのヒントが見つけられるかもしれません。(公式HPより抜粋)

そもそもタイニーハウスとは?”シンプルで必要最低限の設備だけ備えた小さな家”のこと

simplife_1

アメリカで大きな家をやめて小さな家に暮らすという動きが1990年代ころから起こりました。また、2007年サブプライムローンをきっかけに起こった世界同時不況を機にシンプルで無駄の無い生き方が広く注目されはじめ、ついにアメリカ合衆国で建てられる家の平均面積が減少する事となリます。
そうしてた背景を受けて生まれたムーブメント。その多くは自動車で牽引することができるモバイルハウスで、好きなところに移動してそこで小さな暮らしをするというスタイルです。(下記参考サイト様)

皆様は「タイニーハウスムーブメント」という動きをご存知でしょうか? 「マイホームを買うという事は人生で一番大きな買い物であり、とてつもなく大きな決断と覚悟を伴う。もちろん大きければ大きい家の方が断然良

どんな人向けか?キーワードは、わが家、自分のスタイル、くらし方、物との付き合い方、断捨離、小さな家、家ごと移動する暮らし

本作は家という観点から様々な生き方を知る作品です。家は自分の生き方を決める重要なファクターですが、同時に既成概念が強く存在し、人を縛り付ける場所でもあります。
本作に出てくる人々は、それらの既成概念に自分を合わせるのではなく、タイニーハウスという”今の自分のとって最高の家”をつくり、住むことを選んだ人々です。
彼らが一体何を求め、何を選んだのか?が本作のテーマです。

・小さな小屋がいくつも寄り集まったタイニーコミュニティー

・移動式のトレーラーハウスで旅レポをしながら生計を立てている夫婦

・都会の物質経済に疲弊し、地方で自然を我が庭として暮らす家族の小さな暮らし

・友人の庭に小屋を移動させ住みながら友人親族と疑似家族のような関係性を構築している

・自分向けに第一号のタイニーハウスを作成したら、知人から「私にも作って欲しい」と依頼を受けた建築家

などが映し出されます。
それぞれが現在提示されている既成の暮らしに違和感を感じ、自分らしい生き方を模索する中でタイニーハウスに出会います。


本作は必ずしも”小さな家”が理想であるという事を提示していません。
そうした模索の中で、向き合う”暮らし”にこそ価値があるのだと語っています。
もちろんこの小さな暮らしも、「完全なオフグリッド を目指す」から、物置きを作り、「DIYの拡大解釈+断捨離の一期間」

と考えているようなものまで様々です。

家と暮らしを見直してみたい。今まさにそれを考えている人にとって本作はとても刺激的かつ、自分を振り返る一助になる作品です。

どんな観後感を得られるか?”選択肢がある”という幸福さが世界にはあふれている。

幸福の色は十人十色。あなただけの花を咲かせましょう。
とJPOPの歌詞が世界には溢れていますが、実際は違うのではないかというのが私の抱えてきた違和感でした。
家一つ、暮らし一つとって、自分の理想の”暮らし”を思い描ける人がどれほどいるのでしょうか?

経済的豊かさを経て、日本国内であれば自由に移動する事も出来る時代の中で、多くの人はローンや諸契約、人間関係、はたまた物量に縛られ、がんじがらめの中で生きているように思えてなりません。
いつの間にか、”理想の暮らしなど、考える事自体が虚しい”となっているように思えます。ですが、本作を観て感じた事は「理想は千差万別、十人十色であり、達成可能な事は多くある」ということです。

本作は「同じように違和感を抱いた人間が多くの選択肢を用意し、なければ共に創り出そう」という素地が存在している事を私に教えてくれました。

特に私が感動したのは、タイニーコミュニティーという小屋村のような場所の事例です。
小屋で寄り集まっているだけではなく、人を呼ぶ時用には村民共用の大きな家を作っているのです。
人を呼べる応接スペース、リビング、プロジェクターやスクリーンなどもある。
「現代のシンプルな生き方」とは晴耕雨読、自給自足の自分が全てを準備し、消費するような生き方ではないと思えました。
それぞれに少しだけ必要な要素を大人数で分配する事で、多様さとシンプルさを両立させていました。

家を作るにしても、多くのタイニーハウスを生み出した人がユーザーに合わせたカスタムに日夜奮闘している。
合わなくて、郊外都市に引っ越した夫婦もいる。(都市→田舎→郊外(イマココ))合わないと思った先にもやっぱり、元に戻るという以外の選択肢がある。現代の世界には、無数の選択肢が実は世の中にあるのだと、教えてくれた作品でした。

<h4>まとめ</h4>
まずは理想を描く事で「幸福な暮らし」は近づくのかもしれない。住んでみた。や、作りながら、近づけていった。という人々が多く登場した作品でしたが、共通しているのは、皆「家」「くらし」の中に自分のスタイルを見出そうとしている事。それこそが本作で受け取るべきメッセージだと思う。

スポンサーリンク
スポンサーリンク