ペンギンズ FROM マダガスカル ザ・ムービー感想「シニカルとブラックギャグを可愛くこなしまくってる!」

※結構ネタバレ致します。

ペンギンズ from マダガスカル ザ・ムービー公開ポスター

2014年にアメリカで公開されるも日本では未上映だったのが、2015年11月14日にDVD発売に合わせて3週間限定で上映された幻の作品。(とはいえ今ではAMAZONであっさり観れるけど…)もともとペンギンズを勧められてマダガスカル1、2、3を見て、その後ペンギンズアニメ版も一部観た私にとって満を持してのペンギンズのスピンオフ映画です!
ですが、、なんというか結構真面目に作っちゃったなあという感じの無難な作品です。

本作は、TV版からと映画版双方の流入を狙ったのか各キャラクターはTV版、映画版とミックスされているようです。
隊長は大して変わらないけれど
リコ→過去映画版(武装及び操縦&マニュアル破壊)→本作:大食さ(お腹の中にものを蓄える)がプラス。
コワルスキー→過去映画版(状況分析、説明&発明、隊長とツーカー)→堅物で悲観的がプラス。
新人→過去映画版(ギャグのオチ、ボケ、三枚目役)→キュートなマスコットキャラかつしっかり者。
と少しばかり、変わっております。
顕著なのは新人です。アニメ版だと一番しっかりしてるのが新人なんです!子供向けにしてはボケ続けだから、メリハリをつけるためにツッコミを新人に振ったんでしょうか?そのミックスが本作のペンギンズです。

「3秒あらすじ」
ペンギンズがタコから逆恨み復讐の標的となり新人をさらわれてしまうが、救出し相手を打ち負かす話。
ドラマとしては新人の成長譚。キュートさだけが取り柄の新人が、自身の力でチームの皆を救い必要な存在となるまでのお話。

さて、では良かったところから!

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若かりし頃のチーム結成話

南極でペンギン達がよちよちと可愛らしく隊列を組んで歩いているトップシーン。
列から飛び出し「こいつらどこに向かっているんだ?」と幼い姿の隊長が疑問を口にするところから始まる。
列のペンギン達「いいのよ、どこだって。私達はただ可愛く歩いていればいいの」と告げる。
DWAお得意の皮肉の効いたブラックジョーク!まさしくペンギンズスピンオフにふさわしい滑り出しだ。
すでに隊長、リコ、コワルスキーが揃った状態だったのがやや不満だったが、同じく列から取り残された卵を救うべく「俺は自然に逆らう!」と告げ列を逆走しだす隊長はこの時、きっと隊長になったのだと思う。
卵を救う下りで生まれる三人のチームワークアクションは安定の楽しさだし、何より初めてしたペンペンするハイタッチと決めポーズに胸が踊る。ああ、ペンギンズの冒険がここから始まるんだなあと感じさせてくれる。

本作もユニークなネタ(ギャグ)が満載です!!

ペンギンズは、良い奴らでもないですし、ドラマチックなお涙頂戴な関係ではありません。
彼らは笑いとアクションをキュートかつシニカルにクリエイトする一個小隊です。そこが一番大好きな部分ですから、いかにそのパートが多く、キレがあるかが最早評価の良し悪しなんです!本作にも沢山ありましたので!良かった笑いパートは箇条書きします!!

・序盤、フォート・ノックスの金塊保管庫に侵入する際、横断歩道のように黒白になった道をペンギンの黒(背中)、白(お腹)と交互に転がりながら擬態して侵入するペンギンズ面々のチャーミングさ。

空中で飛行機を乗り換える際、プリッツェルを高速で配り続け品切れを告げる新人のキュートさ。

エールフランスに乗り込むなり、「フランス?ダメだ。税金が高すぎる。乗り換えだ」とフランスを馬鹿にして乗換えを指示するいつもの隊長。

空中で飛行機の前外ガラスに張り付いたペンギンズの面々、それを見た飛行機の操縦師が「鳥だ。記憶しとけ」 の一言でワイパーで落とすくだり。

NWの新人救出作戦で3Dホログラフィック画像を見せつけられた隊長が「音はどこから出てきてるんだ?」と突っ込む下り。

舟で悪のタコ軍団からゴンドラで逃げる時「ハラハラする音楽を頼む」とゴンドリエールにコインを投げてよこす隊長。

続いて最高のアクション部門

・もちろん潜水艦脱出後の舟で逃げる下りです!
陸路も舟で行っちゃうんですが、絶対舟を陸に滑らせると思ったらオールを竹馬みたいにして走るんです!なにそれ!斬新すぎる!カツンカツン言う効果音に上のゴンドリエールのハラハラ音楽のギャップがまた最高でした!

悪のタコ デーブの負け方が可愛くて良い

マダガスカルシリーズは総じて悪を倒す事をに注力していません。むしろ、その障害や出来事によって生まれた仲間同士の絆や各々の成長こそ最も価値のあるものだと描いていますし、メッセージも必ずそちらに振っています。本作でいえばちょっと微妙ですけど新人と隊長の成長?でしょうか。デーブはマダガスカル史上最も大掛かりな悪党ですが、スノードームになって子供の玩具になる。という負け方はとても微笑ましいです。もう可愛い動物を恨む事がなくなるような環境にしてあげる事で悪を悪ではなくす。という救い方にはセリフでこそ何も表現してませんでしたが、現実へのメッセージも多分に含まれているのではないかと感じました。

ここから下はがっかり部分となります。あくまで個人的ですが、求めているものとは違ったなあというところ。

オリジナルキャラクターであるシークレット等のノースウィンドウ部隊の違和感

初めて飛行機が現れた瞬間に抱いた違和感は結局最後まで払拭しなかった。
唯一胸が踊ったシーンがラスト、ノースウィンドウの面々が車で敵のタコに体当たりするシーンだったので、つまりハイテクが世界観にマッチしてなかったのではないかと思う。
マダガスカル過去三部作は全て舞台は野生の中や日常の街に限定されていた。人間の日常生活を壊すカートゥーン的に物理を無視したありえない角度や描写のアクションが面白かったのだ。
ハイテクは出てきた瞬間、日常を壊してしまっている。今までのペンギンズに見られた知恵と機転とチームワークで乗り切るという形が取れず、最新機器を駆使した別チームと競い合うという形になってしまった。
そのせいでペンギンズお得意の日常小物を使いまくったピタゴラスイッチ的な連鎖アクションやスピード感での爽快感がやや陰ってしまった。そこがすごく気になった。
ドラマ上それが狙いだったのは分かるが、ペンギンズというキャラクターを考えると、助けてもらう側ではなく助っ人側であるべきだったと思う。正直ペンギンズが助けてもらうなんて展開は全く期待してなかったし、ペンギンズらしくなかった。
なぜなら彼らはどんな時も立ち止まらないし、4羽でなら何だって解決出来る(手段は選ばない)最強のチームだからだ。
マダガスカルでも1〜3まで一貫して助っ人としての圧倒的な存在感だった。

新人の成長譚が片手落ちだった

新人は結局、初めから弱虫でもバカでもなく隊長が猫可愛がりしていただけで、よく出来た子だったという事を本作は示した作品となってしまった。成長するのであれば、失敗がなくてはならない。
唯一失敗したのは、むしろ新人をただ可愛がりしていた末に新人が悪のタコに捕まってしまったという部分。過失を問うなら隊長なので、途中から隊長の成長譚に一瞬ブレてしまう。
隊長は悔しい思いをしながらも、綿密かつ最新鋭機器によるスマートな解決方法を提示してきたNW働隊に新人の救出を任せるくだりがある。 隊長の悔しさが画面から滲み出る良シーンだが、その後ペンギンズの名誉を挽回するのは、隊長ではなく捕まっていた新人だ。
捕まってなければそれもアリだけど(隊長に悔しい思いをさせてしまった新人、コワルスキー、リコがファインプレーをするというチーム感が出る展開)その場にいなかった新人が活躍したせいで、ペンギンズ全体のカタルシスに結びつかない。隊長こそペンギンズのメンターであり、頭脳なのに、やらっれぱなしじゃないですか!そこらへんが何とももやもやしてしまった。

まとめ

ペンギンズ自体がシニカルだし、一番ぶっ飛んだアクションもできる立ち位置だったのでもっとぶっ壊れて突き抜けたネタや展開でも良かったのではないかと正直終わった後思ってしまった。1から全てに携わり作ってきたエリックダーネル監督のクレジットが出た瞬間。どうした?ダーネル監督と思ってしまった程だが、調べてみたら新人監督サイモン・J・スミス監督が、初め一人で監督していたが風呂敷を畳む事が出来ず後から畳む役として投入されたのが重鎮ダーネル監督だったようです。少し納得しました。
要所要所のギャグ、アクションは相変わらずのキュート&シニカル&シュールを魅せてくれたので、ペンギンズ好きならきっとそれなりに満足できるんじゃないかなあと思います。映画としてはとても手堅い作品(ここがペンギンズらしくないんだけど笑)、ただチーズディブルスは食べたくなったね(モデルはチートスだそうです)

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