映画「ファースト・マン」星条旗シーンがない論争はなぜ炎上したのか!?【監督インタビュー他、経緯まとめ】

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2019年2月に日本公開『ファースト・マン』は、「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督xライアン・ゴズリング主演タッグの最新作は1969年に人類初の月面着陸を成し遂げた米宇宙船アポロ11号のニール・アームストロング船長を描いた伝記映画です。

他、基本情報については、下記ご参照ください。

https://gennnya.com/movie-firstman-2/ ‎

本作のアメリカ公開は2018年10/12だったが、公開を前にしてある論争が持ち上がり、監督、俳優を含め製作陣を困らせる事態となった。
その論争の種は
「ニールアームストロングの伝記映画でありながら、アメリカの星条旗を月面に立てる場面が省かれたいた事」
についてだ。
初めて本作が公開されたのは、2018年8月29日のヴェネチア国際映画祭のプレミア上映である。だが事態が激化したのは、その事をライアン・ゴズリングが擁護した記事によるものだった。

この判断に対して、主演俳優のライアン・ゴズリングが「最終的に人類全体の偉業として広く認識されていると思う」と、その理由を示唆する発言をした。(digital spy誌より引用)

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アメリカ国旗の星条旗を月面に刺すシーンがないのは、全員が知っているシーンだったから

この論争に対してデイミアン・チャゼル監督は2018年9月2日付の米紙ロサンゼルス・タイムズのインタビューで、こう告げている。

「ストーリーの性質上、細かいエピソードをすべて盛り込むことはできなかった」ため、月面のアームストロング船長に関しては個人的な、あまり知られていない出来事に焦点を絞ったという。

チャゼル監督は続けて「星条旗を立てるシーンはとても有名だし、ニール以外の飛行士もしている。探査機のはしごを下って、文字通り最初の人類として月面を踏みしめる場面は劇中に出てくる。彼だけがしたことだからだ」と述べた。劇中では星条旗のエピソード以外にも多くの歴史的事実が省略されていると指摘した上で、星条旗が月面に立つカットが登場することも明らかにしている。
(cnnニュース記事より抜粋)

回答を得てしまえば、何という事もない。
こういった判断は、映画の世界では特別珍しい事ではない。
問題はむしろなぜ、こんな大ごとになってしまったのか?という事だろう。
簡単に経緯をまとめてみた。

発端はベネチア国際映画祭当日の英テレグラフ誌による記事

下記2018年8月29日の英国テレグラフ誌で、

When Neil Armstrong and Buzz Aldrin planted the American flag on the moon in 1969, it marked one of the proudest moments in US history.

「アメリカの偉大さの一例としてではなく、人類の偉業であるとして、最も愛国的なシーン(星条旗を月面に刺すシーン)は省かれた」
という一文から始まる記事が掲載された。

ゴズリング氏は、同誌向け記者会見で

「私はNeilがアメリカのヒーローであるとは思っていません。映画には彼の謙虚さが反映されている。彼はミッションを可能にした400,000人の人々に焦点を移していた」

と答えました。

米保守派上院議員のマルコ・ルビオ氏のTweetで炎上

一部訳:「月面着陸のミッションは米国民の税金で賄われた。米国人が米国の技術でロケットを作り、米国人の宇宙飛行士を送り込んだ。国連のミッションではない」(中略)
– Marco Rubio(@marcorubio)2018年8月31日

とTwitter上で批判した。

ニールアームストロングと共に月面着陸したバズ・オルドリン氏も意味深なTweetを同時期にする

ドナルド・トランプ大統領も記者からの質問を受けて批判コメントする

ドナルド・トランプ大統領は2018年9月ニュースサイト「ザ・デイリー・コーラー」の記者からの

「ニールアームストロングの映画に対するニュースを知っているか?」との質問に対し、

「ファーストマンを観るつもりはない。星条旗を巡る大失敗を犯している。アメリカの成し遂げた偉業を恥じているかのようだ。とんでもないことだと思う」とコメントした。

これらを受けてその後、保守派層がいっせいに「ファースト・マン」をアンチ・アメリカ映画と批判する事態となった。

ニール・アームストロングの息子リックとマークが原作著者らと共に「この映画は反米ではなく、むしろ真逆だ」とこれら批判に対する声明を発表。

2018年9/4,Armstrongの息子のRickとMark Armstrongは、 “First Man”の著者James R. Hansenと一緒に、「旗を月面に掲げた事に集中しない」という制作側の決定を支持する声明を発表した。

冒頭で、「今日、この映画についての多くのコメントを読みました。私たちはそれ(星条旗を月面に刺すシーンがないという論争)を何度も目にするので、私達も意見を述べなければならないと考えました」と説明し、

「この物語は人間を描いたものであり、普遍的です。もちろん、アメリカの成果を賞賛します。それは、ニールとバズが月面に残した盾に書かれているように「すべての人類のための成果」を祝福しています。「この映画は、不可能なものを実現するために激しい犠牲を払って苦しんでいる普通の人々の物語です」と話した。

「要するに、私たちはこの映画が反米的なことを少しでも感じることはありません。まったく逆です。しかし、それについて私たちの言葉を鵜呑みにしないでください。私たちは誰もがこの素晴らしい映画を見に行って、自分たちのために見ることを奨励します」(spaceref.com/newsより抜粋)

(下記、全文紹介されております)

Statement by Rick and Mark Armstrong and James Hansen Regarding

3番目の予告編には月面におけるアメリカの旗をきちんと見せている

反米解釈や政治的な意図はない事を示す為、三つ目の予告編には月面に掲げられた星条旗のあるシーンを挿入してある。

まとめ「ニール・アームストロングという人物が月面に降り立つ時、一体何を考えていたのか?」

特別何ということもない。ただ外野が騒いだだけに過ぎない「日本以外も、平和な世の中だなあ〜」と思わずにはいられないしょうもない論争だったが、本作に興味を持つには非常に役に立つトピックでもあったのではないかと思う。
ここで、ニールアームストロングの最も有名なセリフを引用しようと思う。

「That’s one small step for a man, one giant leap for mankind.」
(一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩だ)

今回、騒いでいる外野の皆さんにならい

「俺達はついにやった。人類の偉大な一歩は、アメリカが初めに刻んだ」

とでもなったらどうだっただろうか?
本作は、人類史に残る偉業を成した人物の内面を描いた物語だ。
彼がこの言葉を言うに至ったのは、一体どんな気持ちからだったのか?
という事に私は思いを馳せる。

そこには彼を月に向かわせたあらゆる葛藤とドラマがあるのだ。本作が描いているのは、そこなのだ。
日本では、2019年2月8日公開予定。楽しみです。

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