映画「ベイビー・ドライバー」感想・考察。ipodから流れる音楽とカーアクションが完璧にグルーヴしている!

※結構ネタバレ致します。

ベイビードライバー公開ポスター

もうエドガーライト作品とは思えない垢抜けた素晴らしい作品。2017年一番面白いかもしれないし、クライム&ラブストーリーとしては今後、金字塔枠に入ると確信できる細部に至るまで素晴らしさが詰まっている作品。
(パンフレッドもすげえいいです!)
もう今回はめちゃんこ褒めまくるで。最高の映画だぜ。

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基本情報

監督・脚本 エドガー・ライト
製作
ニラ・パーク(英語版)
ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
製作総指揮
エドガー・ライト
レイチェル・プライアー
ジェームズ・ビドル
アダム・メリムズ
ライザ・チェイシン
ミシェル・ライト
出演者
アンセル・エルゴート
ケヴィン・スペイシー
リリー・ジェームズ
エイザ・ゴンザレス(英語版)
ジョン・ハム
ジェイミー・フォックス
ジョン・バーンサル
音楽 スティーヴン・プライス
撮影 ビル・ポープ
編集
ポール・マクリス(英語版)
ジョナサン・エイモス
製作会社
ワーキング・タイトル・フィルムズ
ビッグ・トーク・プロダクションズ(英語版)
メディア・ライツ・キャピタル
配給
(米国)トライスター・ピクチャーズ
(日本)ソニー・ピクチャーズ
公開
(米国)2017年6月28日
(日本)2017年8月19日
上映時間 113分[1]
製作国 イギリス、アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $34,000,000[2]
興行収入 $167,826,184[3]

「3秒あらすじ」
天才ドライバー、ベイビーは悪党ドクに、借金のカタとして犯罪チームの走り屋をして返済している。ダイナーで一人の女と出会い真っ当な世界で生きたいと願うも足抜け出来ず最後の強盗計画で彼女をも巻き込んでしまう。二人、逃げ出そうとする。

まずは黙ってopening 6minute。

イヤフォンからカーステレオ、ハイウェイまでをグールヴィーに駆け抜けるミュージックドライブムーヴィー

本作は車と音楽にとにかくフォーカスし、常にロック、ソウル、ジャズ音楽が流れ、それらのリズムに合わせて駆動するエンジン、ハンドリング、ワイパーにブレーキ。その二つが溶け合い相乗的科学変化を起こすまで昇華させたグルーヴィードライブ映画だ。本作にとって音楽はBGMではない。むしろ音楽に合わせるようにシーンが存在するかのようだ。
主人公ベイビー(アンセル・エルゴート)はずっとIpodを流し、イヤホンをしている。彼にとって音楽は半身なのだ。

幼少の頃、交通事故に逢い父と母を失った時のショックで耳鳴りが鳴り止まないからずっと彼はイヤホンをしている。
この設定自体非常にうまく各所に効いているが、一つに音楽がとても好きな男であり、全編に渡りずっとロック、ポップミュージックが溢れている。また会話にも音楽は大切な要素を成している。
ヒロイン デボラ(リリー・ジェームズ)との会話に

デボラ「姉のエミリーは散々いろんな曲に出てくるのに、私の名前が使われてる曲はベックの一つだけ」
ベイビー「いや、もう一曲あるよ、T-rexで」
デボラ「どんな歌、歌ってよ」
二人でコインランドリーで一つのイヤホンを分けて聴く。

という下りがある。
(全く余談だけど、ピーターアイヴァーズの曲にもデボラってあるよ!)
こういう映画的なチャーミングでドリーミングなやりとり最高だと思います。これ最高要素1ですね。

本作の素晴らしい点はこの音楽とシーンの徹底した融合具合だ。

冒頭かかるのはジョンスペンサーブルースエクスプロージョン「ベルボトム」だが、曲の冒頭から盛り上がる部分にかけて、ベイビーが音の波にノッているのは言うまでもないが、パトカーとのカーチェイスへの各車の速度、ブレーキ音、タイヤの摩擦音からハンドルさばきに至るまでリズムに乗せて動いている。

プロモーションビデオとは明らかに一線画しているのは、スリリングなカーチェイスとしてもきっちり魅せてくれるからだ。音楽に合わせたせいで、違和感のある逃走(相手がリズムに合わせて待ってくれたり、ちょっとしたユーモアを挟んでブレイクしたり)は全くない。リアルタイムに疾走するカーチェイスとしてそれだけでも見応えがあるのだ!

3度カーチェイスがあるが、全てに置いて音楽とドライブは完全にグルーヴして相乗効果を上げていた。
こんな映画は今まで見たことがなかった。最高にアドレナリンの出る素晴らしい仕掛けだった!!

主人公ベイビーの成長譚が、神話的ドラマチックさをたたえているッ

本作はもう紛れも無い「逃避行ムービー」だ。頭から足先まで逃げに逃げまくっている。
ベイビーは、常にイヤホンで耳を塞ぎ、サングラスをかける事で視界も濁らせている。それだけ世界と距離をおき逃避している。そして、犯罪者を逃がす事で生計を立てている。彼は逃げ続ける事でしか生きていないのだ。
何から?父と母のいさかいから、不幸な別離から、どん底な暮らしから、彼が逃げる場所はいつも音楽の中だ。
彼は何かに立ち向かおうとはしない、言われるがままに仕事をこなし耳の不自由なジョンと共に埋没した生活を送っている。

そんな最中、デボラに出会い愛を知る事で彼は、犯罪から足を洗うため、巻き込まれた彼女を守る為立ち向かう。
このシンプルながら、静かに盛り上がる構図が本当に良いっ!
そして彼が選んだ答えはデボラと共に逃げる事だった。
色々なものから逃げ続けるベイビーが、なぜか妙にカッコよく見えるのは、音楽という受け皿が存在するからだろう。
彼の日々は逃避の日々だが、文字通り騒がしい逃避の毎日なのだ。そこがとても上手くできている。
ともすれば暗くナヨっとした話になりそうなところを、それぞれの要素がうまく支えている。

ラストの爽快さが異常!!

もう盛大にネタバレしちゃいますがね、ラストがマジで最高なんですよ!!
とうとう逃げるのを辞めた時ベイビーの耳に聞こえてきたのは、まだ逃げる事などなかったあの頃の歌なんです、
(ノスタルジックなテープの小道具がニクい!)
そしてその時の続きが開けた未来で、最高にチャーミングな姿できちんと彼を待っているのだだ。実に見事なラストである。
逃避行の終わりをきちんと描きながら、愛の喜びにも満ち溢れている。どこまでも爽快で、開放的なラスト!!

ジョン・ハムの魅力たるや凄まじい!!

主人公アンセルくんはもちろん、ジェイミーフォックスもケビン・スペイシーも最高でしたし、リリー・ジェイムスのウェイトレス姿はマジで天使だけど、バディ(ジョン・ハム)!すごい!後半の畳み掛けてくる狂いっぷりがたまらん。
完全に狂気的というわけじゃなくて静かに湧き出ててきてグッチョリ染まった狂気感。
ダイナーのカウンターに座っている時のヤバさ!!カッコ良すぎやで!パトカーでクイーンのブライトンロック爆音で流しながら突っ込んでくるところも頭のネジ外れちゃってて最高でした。ジョン・ハムはこれからもあんな役をヤリ続けて欲しいと本気で願っている。ジョン・ハム部分だけで編集してもう一度見たいくらい素晴らしかった!!

まとめ その

大枠的な意味で良さをまとめると
・かかってる音楽チョイスが絶妙でサントラ必須の音楽映画として普通にノれるし、さりげない曲が良いんだまた。
これにドライブリズムを組み合わせたグルーヴィームービー感がまず凄いっ!
キャスティングが主役、ヒロイン、脇役に至るまで皆めちゃんこハマってるし、それに増して最高の芝居をしてるッ!
抑揚のない感じでドスが効いた雰囲気から、枯れたロマンチックまで匂わせるケヴィン・スペイシーとか何者だよッ!
逃避行ラブムービーとして、非常によく出来ている。デボラとベイビーの会話や仕草がマジで可愛いし、切ない。
・なのにクライムムービーとしても、緊迫感、スピード感、共に抜群にあって、キャラが立ってるから会話劇もユーモアの中にピリついた空気漂っててそっちでも楽しめる。
この多重構造ですよ!どこ切っても良いんだぜ?最高だろ。そりゃ。

サントラです。

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