続編までキッチリ面白い作品をつくる天才ジェームス・キャメロンの名がクレジットされた本作に期待値が高まっている方もいるかと思います。
そんな人のために、今日は、すでにプレミア上映等で公開されているアメリカでの感想をまとめてご紹介します。
批評家筋と一般の感想が割れているのが、本作の特徴です。
しかしそれぞれの感想で、一つだけ共通していることがあります。
アリータ:バトルエンジェルは純粋なビジュアルスペクタクルです。
それ以上のものになろうとはしていません。
-Polygon
これこそ、本作を的確に表す一言なのではないかと思う。
つまり、「この映画は、視覚効果とアクションは凄いっ!!」
これだけでもう期待には応えてくれていますが、もう少し詳しくリサーチしてみました。
是非、観賞前の参考にしてみてください。
目次
基本情報
監督
ロバート・ロドリゲス
脚本
ジェームズ・キャメロン
レータ・カログリディス
ロバート・ロドリゲス
原作
木城ゆきと『銃夢』
製作
ジェームズ・キャメロン
ジョン・ランドー
製作総指揮
デヴィッド・ヴァルデス
音楽
ジャンキーXL
製作会社
20世紀フォックス
ライトストーム・エンターテインメント
公開
2019年2月14日(米)
2019年2月22日(日)
出演者
アリータ-ローサ・サラザール(CV:上白石萌音)
ダイソン・イド-クリストフ・ヴァルツ(CV:森川智之)
役名不明の悪役-ジェニファー・コネリー
ベクター – マハーシャラ・アリ
ザパン – エド・スクライン
ユーゴ – キーアン・ジョンソン
ゲルダ – ミシェル・ロドリゲス
コヨミ – ラナ・コンドル
ニシアナ – エイザ・ゴンザレス
イドの助手 – アイダラ・ヴィクター
天空に浮かぶユートピア都市“ザレム”と、ザレムから排出された廃棄物が堆積して山をなす荒廃した街“アイアンシティ”。
大戦後の未来は、“支配する物”と“支配される者”の2つの世界に分断されていた。“アイアンシティ”に暮らすサイバー医師のイドは、瓦礫の中からサイボーグの少女の頭部を発見。新しい機械の身体を与え、アリータと名付け大切に育てた。
ある日、アリータはイドを守るために戦い、自身が300年前大戦中に失われたテクノロジーで作られた“最強の兵器”だったことを知る。
果たしてアリータと分断された世界の過去に隠された秘密とは……。
人々の温かさに触れ、感情が芽生えた最強兵器アリータの、自分の命の意味を見つけるため、そして大切な人たちを守るための、二つの世界の秩序を揺るがす壮大な旅が今、始まる―。(公式HPより抜粋)
各種映画口コミサイトの評価は、批評家筋イマイチ。一般筋は好意的。
・ロッテントマト
評価60点
平均評価:5.9 / 10
批評家レビュー数:57
フレッシュ:34
ロッテン:23
・メタトロニクス
評価54点
批評家レビュー数:20人。
・IMDb
評価 7.8/10
レビュー数:1388件。
批評家コメントは、見どころと残念点を同時に挙げているものが多数
本作の批評家コメントは画一的だ。
みな口を揃えて「視覚効果は本当に素晴らしい、だけど、ストーリーがイマイチだね」
と言っているのが特徴だ。
期待に応えてくれそうな部分と、諦めなければならない部分がハッキリしている作品なのだ。
賛否両論というわけではない。
それだけ分かりやすい作品なのだろう。
視覚効果と、ビジュアルと、アクションは素晴らしい。
ドラマとストーリーとキャラクターは、イージー。
この二つに論点は絞られている。
もう少しコメントを掘り下げてみよう。
見どころポイントは、美麗ビジュアルとこだわりのアクション
より具体的な見どころポイントを、実際の各社の紙面からご紹介しよう。
「IMAXの光景と効果を十分楽しめる映画」
–ガーディアン誌
「ビジュアルエフェクトを楽しんだり、大音量で頻繁に繰り広げられるアクションは常にスリリング」
–Collider誌
「視覚的には一大叙事詩」
–Time Out誌
「このフィルムの強みは明確な”視覚的素晴らしさ”です。
「命の恩恵にあふれた」空中都市の外観、インパクトのある色彩、アクションへのこだわり、特にその称号が示す通り、戦いのためにつくられたアリータの造形は素晴らしい。」
–Polygon
アリ-タ:バトルエンジェルはロバート・ロドリゲスの最高の映画です。
素晴らしいパフォーマンスがあり、その奇妙な世界を現実のように見せている。
–IGN
辛口ポイントは、ストーリーやドラマが単調
漫画4巻分を120分に閉じ込めたことで発生した、様々なことがいっぺんに起こりすぎ、詰め込み現象が辛口のタネのようです。
また、原作にあったSF的科学考証をバッサリと省き、さらにストーリーよりも動的なシークエンス、ショーを意識した作品になっている部分もイマイチな点として挙げられています。
「最終的に映画はあまりにも予測可能であり、それなのに展開が駆け足で対話シークエンスが十分ではない」
–Time Out誌
「この映像表現の大部分は、13歳の子供のためのものです。」
–ガーディアン誌
一般客の感想はのきなみ高評価
批評家筋は結構辛口ですが、IMDb一般層の感想コメントは
・「素晴らしいグラフィックと特殊効果」
・「アクションシーンは素晴らしかった」
・「素晴らしいCGI」
・「アニメーションはとても良い」
が目立ち、非常に好意的です。
7.8/10という評価も、7.8.9.10の評価に偏っており、楽しめた!というコメントが目立ちます。
ストーリーラインやキャラクターを重層的、多面的に判断する批評家とは違って、素直に映画を楽しみに来た人にとっては、本作は多くのことを考えず映像の素晴らしさに酔いしれることのできる作品なのかもしれません。
ただし
「ストーリー展開が速すぎる、説明不足」
といったコメントも高評価の星の中にこっそり入っていたのも付け足しておきます。
まとめ
過去、ストリートファイター、ドラゴンボール、攻殻機動隊といくども挑んでは惜敗をきしてきた日本漫画原作のハリウッド実写化。
「銃夢」でとうとう日の目を見ることになるのか!
一般客層の感想や、予告編を見る限り期待して良さそうな感じがします。
ストーリーやドラマの粗を無視できないタイプの人にとってはおすすめできない作品かもしれません。
【関連作品】
・原作
・クチコミでも引き合いに出るジェームズ・キャメロン監督の超美麗ビジュアルエフェクト大作
・ロバート・ロドリゲスの最高クールなコミック原作の傑作映画
・今回の脚本にも携わっているレータ・カログリディスの代表作。
コメント
「視覚効果は本当に素晴らしい、だけど、ストーリーがイマイチだね」というのがハリウッド映画の評論家たちのコメントだ。しかし、『銃夢』の原作ファンは知っている。この映画が壮大なドラマのスタートに過ぎないことを。そして、評論家連中のほとんどは原作をまともに読んでいないことを・・・。現実は、ハリウッドの評論家の厳しい査定に脚本家や監督が恐れながら映画を作らざるを得ないために、自分の撮るべき映画の本質を見失ってしまったり、あるいは、単なる功名心のために、原作を自己流&ハリウッド流に改悪して、「傑作!!!!」に仕立て上げてしまうという過ちをしでかしてしまうことに。その代表作が『ドラゴンボール』という最悪のクソ映画だ。しかし、今回のこの映画は違う。原作に忠実に描こうとしてしている。マンガ4巻分を1本の映画に仕上げ用とした点に問題が無いわけではなかろうが、大衆の評価がこの映画を好意的に見ていることが分かる。そして、1本では収まらない映画であることを。この映画が成功に導かれる可能性が十分あることは、キャメロンやロドリゲスの映画製作方針に揺らぎのなかったことでも分かる。あとは、多くの人たちの映画鑑賞と、口コミ、SNS等々のつぶやきしだいだ。