映画「ブレット・トレイン」感想・浴びたよ熱いラブジャパンバイブスを

画が走り続ける映画は良い!グロな血ゲロ演出リフレインがピリッと効いてる愛しいB級映画だよ。

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基本情報

監督:デヴィッド・リーチ
脚本:ザック・オルケウィッツ
原作:伊坂幸太郎『マリアビートル』(角川書店)
出演:
レディバグ(てんとう虫)-ブラッド・ピット
プリンス(王子)-ジョーイ・キング
タンジェリン(みかん)-アーロン・テイラー=ジョンソン
レモン-ブライアン・タイリー・ヘンリー
木村雄一 / ファーザー-アンドリュー・小路
エルダー(長老)-真田広之
ホワイト・デス(白い死神)-マイケル・シャノン
マリア・ビートル-サンドラ・ブロック
ウルフ(オオカミ)-ベニート・A・マルティネス・オカシオ
製作会社:
コロンビア ピクチャーズ
87ノース・プロダクションズ(英語版)
公開:
2022年8月5日(米)
2022年9月1日(日)
上映時間:126分
製作国:
アメリカ合衆国・日本・スペイン

あらすじ

世界⼀運の悪い殺し屋レディバグが請けたミッション、それは東京発の超⾼速列⾞でブリーフケースを盗み、次の駅で降りること。簡単な仕事のはずが、次から次へと乗ってくる⾝に覚えのない殺し屋たちに命を狙われ、降りたくても、降りられない。最悪な状況の中、列⾞はレディバグと殺し屋たち、10⼈を乗せたまま終着点・京都に向かうが…乗り合わせたはずの10⼈は、偶然ではなく、仕組まれた罠だった。やがて明らかになっていく、殺し屋たちの過去と因縁。そして終着点で待ち受ける世界最⼤の犯罪組織のボス=ホワイト・デスと対峙したとき、思いもよらぬ衝撃の展開が待ち受ける!(filmarksより)

テンポ花マル、走り続けるぶっ殺フィーバー映画

はい、観てきました。立川シネマシティ封切り3日目。初日はTwitterトレンドにも上がって「なんちゃってジャパン」ネタで盛り上がっていたのに悔しさに袖をかみました。何でみんな平日に映画観に行けるん、、

とはいえ、本作が軒並みIMAXで上映されたせいで、2022年8月26日に公開されたばかりのジョーダン・ピール監督の最新作「NOPE/ノープ」がIMAXから姿を消してしまったという悲しい事態も発生してしまいました。ノープをIMAXで観るのを楽しみにしていた勢に救済を。

しかし、本作を観終えてみると、日本に生きる民としてはこちらに肩入れせざるを得ない。だって、熱いラブジャパンバイブスがめっちゃ溢れてる。スターもバンバン出てくるハリウッド映画なのに、キャラ紹介に漢字やカタカタを大きく使ってくれるの嬉しすぎるし、ソメイティちゃんが清々しくパロされてるのも、いとをかし。対して1ミリも出てこないミライトワくんも、俺の心の映写機からは映ってたよ。また、控え室大喜利が捗るね。

日本を舞台にすると、畳と障子とししおどしがある生活感ない部屋でたり、空手や正座させたりのオマージュが出るんだけど、全然そんなのない。奈良と中国と何かを足して割ったような建物、ネオン看、宇宙船的なフォルムの新幹線、謎の漢字、やたらと日本人の苗字が書いてある看板。そう、ここはシネマティックドリーミージャパンなのだ。このくらいデフォルメしてくれるとノイズにならないという発見。

そんで、ブラピはいるだけで作品の格が上がると改めて思い知らされたな。極上松坂牛A5級ステーキのような存在感とブランド感。やっばカッケーなぁスターだよ。ブラピ先生には刀は持たせずに、ボーンシリーズ的な日用品キレキレアクションしてくれてるのも、どうもありがとうです。

小道具の豊富さ、キャラの立ち具合など良いところいっぱいあるけれど、基本的にはタランティーノ系の「テンポ◎、ぶっ殺フィーバー映画」です。そういうの好きな人はマストゴーだよ。

伏線回収の鬼連チャン

とはいえ、スッキリ爽快だけかというとそこは伊坂幸太郎原作。伏線回収がマジで2桁くらいあるから、とにかく気持ち良い。そして走り続ける列車。やっぱり画が動き続けてて、どこかに向かっているっていう視覚と心理効果って馬鹿にできないんだなあ。これぞ娯楽の真髄。商業クリエーターの頂きを知る!

そして、ちゃんと「悪運と運命」という一貫したテーマがあるのが、感想を言い合える語りしろがあるところ。ある物事に対して、「運命」と取るか「ラッキー」ととるか「不運」と取るかはその人の心と時と場合次第という、空白の余地があるのがいい。伊坂幸太郎はいい作家だね。

そして、「なるようになる」哲学と復讐の美学のような日本的な発想が全体に出てるのが、個人的には感慨深かったです。

その御都合主義と頑なさを合理主義的な発想が根底にある西洋人が翻弄されるというのが、ある種胸がすくような思いでもあったり。

でも、日本人って本当に不思議で、結構他力本願なところがあって、その状況にどうにか折り合いをつけていければハッピーみたいなところがある一方で、頑なに何かを変えない保守的な「復讐」や「忠義」が大好きなところを持ち合わせてる人種でもあるんだよね。はたからその不思議さを垣間見た気がした。

本当はもう一歩テーマに踏み込んで、悲劇と悲劇、使命と運命をぶつける骨太な時代劇風に仕上げてほしかったなんて思いもあるけど、そういうのは2022年のビックバジェット作品には求められていませんね。

ヨアキム・トリアー監督の「私は最悪」もそうでしたが、最近サムシングハプンな状況論的発想に立脚した作品が評価されてきてる印象があります。ロジカルにはいかない事ばかりが起きる社会に対して、何らかの心のセーフプレイスを見出したい人が多いのかもしれません。

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