長野県安曇野市「ジャンセン美術館」のおすすめ点をご紹介。【体験レポ】

今回はin安曇野ジャンセン美術館での体験レポートをご案内致します。
私は、美術館には年に一回行けば良い方くらいの頻度の門外漢ですので、記事のほとんどはギャラリートークというイベントの中で、現地で学芸員さんに実際にお話を聞いた情報で構成されております。

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安曇野ジャンセン美術館とは

アルメニア人画家、ジャン・ジャンセンのみを展示している世界で初めての私立美術館。
ジャン・ジャンセンの作品は、パリ美術館、エネリー美術館(パリ)、その他ヨーロッパ・アメリカの主要美術館など各地で展示されているが、これほどまとまった数を一時に見ることができるのはこの館のみ。
フランスではピカソ、シャガール後の画壇を支え、人間の存在の本質を、愛情と哀しみを持ちつつ描き続けた。
フランスのレジオン・ドヌール勲章と故国アルメニアの国家勲章を受賞している。

開館:
1993年4月24日。
所在地:
〒399−8301 長野県安曇野市穂高有明4018-6
開館時間:
季節により変動します。
4月~10月-9:00~17:00
11月~3月-10:00~16:00
定休日:
火曜日(祝日、GW期間、8月は除く) / 年末
入館料:
大人 850円 / 小人(小中学生) 500円 / 団体(15名様以上) 各100円割引
※身体障害者手帳は入館時のご提示で100円の割引有。(HPより抜粋、引用)
安曇野ジャンセン美術館オフィシャルサイトへようこそ。光と水と緑あふれるこの美しい安曇野で、世界の巨匠ジャンセンの世界に浸って下さい。

体験という性質上、主観も混じります。
美術品に対しての一つの切り口として参照下さい。

展示作品は主に、油彩画、水彩、デッサン、クロッキー、版画

ジャンセン美術館,油彩画展ポスター
私が行った時は、油彩画企画中だったので油とデッサンが多かったです。

大きな絵が結構あるので、見応えあります

ジャンセン美術館2
安曇野には、大小、公営私営合わせて20以上の美術館、記念館、資料館がありますが絵画のみの館に絞ると実はちひろ美術館、ジャンセン美術館の二つしかありません。
更に最大500号(約3mx2.5m)の絵画が飾ってある常設展示室は大きな絵画が複数ありますので、迫力があります。
以前イタリアのウフィツ美術館に行った際に距離を置いて座って大きな絵を眺める良さにハマったのですが、そんな贅沢な見方が出来るのは安曇野ではここだけです。

ジャンセンは商業画家ではない、真の芸術家だった

「私は自分が見て素晴らしい、美しいと思ったものを表現したい。
たとえ他の人がそれを美しいとは思わなくても。」jean jansem

ジャンセンが描く絵画は、生活の為に書いたものではなく自分が美しいと思った時にだけ筆をとったもののみです。彼が一体その絵画のどこに美しさを感じたのか?
を感じながら観ると、自分の中に眠っていた新たな美への意識が芽生えます。
私自身、初めはふーんと流し見でしたが中盤一つのテーマを見出してからは、食い入るように他の絵を見つめ序盤に流したものを見返しに行った程です。

光輝く美しさには、必ず翳(かげ)がある。その光と翳が美しさの源

「美しいと思えるのはそこに翳が、美しいとは思えないものがあるからだ。翳がなければ輝きも美しさも何もない」jean jansem

私が気づいた絵画のテーマは「疲れ」でしたが、学芸員さんのお話の中で言葉では「翳(かげ)」でした。彼がテーマとして描いたものの多くは、眩しく光り輝いている瞬間ではなく、その瞬間の為に勤しみ、疲れ、時に塞ぎ込み、また奮い立たせる多くの翳の一瞬でした。

人が疲れた時、それは何かに励み、継続して努力して来たからに他なりません。
翳という切り口で観た時、私はそこに長い継続、人生を観ました。使い古した古い家の大黒柱の経年劣化した傷を見た時のような心持ちでした。

ヨーロッパ、東欧の市井の人々や日常をモチーフにしている

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公式HP収蔵作品より

私が観たほとんどは、栄光に浴した人ではなく、街の中に埋もれる人々でした。
街の露天商、たたずむ老女、乳飲み子を抱えた女、子供達と老人、街の景色、部屋の棚上に溢れた静物など。
彼は栄光の中に見える翳ではなく、無名の人々の中に潜む美しさに目を向けた
名前のない彼、彼女達のそれでも浮かび上がってくる翳と曲がりくねった日常、毎日の景色は美しさよりも、私はなんだか時間の恐ろしさを感じました。
時間が容赦なく奪い取っていったものを、見事に切り取っていると思えたのです。

バレリーナシリーズの魅力

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公式HP収蔵作品より

日本で最も人気のあるジャンセン作品といえば、バレリーナシリーズ。
私は、色彩鮮やかな方が個人的に好みの為、他の作品の方が印象が強いですが、ジャンセンの言う翳を最も強く感じるのは本シリーズだと思います。
陰を帯びた彼女達から、他作品にはない”葛藤””重圧”という激しさと重さを帯びた感情が立ち上がっているように感じました。
バレリーナという人種が帯びた特殊な立ち振る舞いなのかもしれません。

館に辿り着くまでにある森の小道のメルヘンチックな雰囲気

森の小道からの館
ジャンセン美術館の入り口は、煉瓦造りの柵から庭に入っていくところから始まります。どこかの私宅洋館のお庭に入っていくかのような、気後れを感じる玄関口です。思えば、その道によって外界との遮断を果たしていたのですが目の前に走る国道とその庭口には煉瓦造りの柵だけでなく薄い幕が張っているように思います。
まだ観ぬ不思議へ入り込んでいくような感覚。少し歩くと見えてくる館がどうにも世界と隔絶した印象を与えます。梨木香歩の小説に出てきそうな感じと言いましょうか…他の美術館にはない独特の雰囲気が庭と外観にあります。

まとめ

庭といい内観といい雰囲気という点では、安曇野の数あるミュージアムの中でも、最もある美術館だと思います。徹底された環境の中で絵画と向き合う極上体験を叶えてくれる場所です。ちなみに私が行った時間はすでに本日の業務終了してしまっていましたが、カフェも併設されいます!

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