スタジオ・ポノック映画「メアリと魔女の花」良いところ残念なところ赤裸々感想・ネタバレ有

※結構ネタバレ致します。

メアリと魔法の花 公開ポスター

これは、何の力も持たない少女が強大な魔法の力に溺れず、魔法世界から友達を救い出す話。

「1行あらすじ」
1日魔女のメアリが魔法学校に行き、魔法の力が魔女の花のせいだとバレると花をよこせと友人を攫われてしまい、メアリは魔女になり友人を助けてうちに帰る話。

これは多分、友達が出来た話なんだと思うんです。メアリは魔法の力を得た事に
有頂天になるわけでもなく、そして失う事に失望するわけでもない。
一夜の夢の世界の中だと割り切った中で、脇目もふらず友人を救い出す冒険救出劇。
結果メアリの中に残ったのはありふれた(だけど得難い)友人と自分の力で日々を進んでいく力。というTHE児童文学的なテーマを持った爽やかな作品だと私は受け取りました。

まあテーマはさておき、映画として良かった点!

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精緻で生命感あふれる背景画

やはりここは、元ジブリスタッフ。
他のアニメとは群を抜いて素晴らしいです。
美しくまるでリアルかと疑うような背景は他アニメでもちょくちょく見かけますが、
本作の場合はその景色にも命が溢れているのが感じられます。
山河や花が色とりどりに鮮やかな庭や空などのそれ自体が有機的な輝気を放っている背景はジブリからポノックに変わっても健在ですね。

アクションや動きのある絵の多彩さ


冒頭の攻撃的な炎の描写、爆発のタイミング、風でローブはためかせながら空の中に
飛び込んでいくシーンには度肝を抜かれました!なんだ!この緊迫感と臨場感!!
米林監督曰く「本作は動の映画なんだ」と言うだけあって、動きのあるシーンの気合い半端じゃないっす。

命が吹きまこれたように縦横無尽に飛ぶ箒や、ピーター(CV神木隆之介)が檻にかじりつく描写のスピード感や力の込め具合。
(ここは「変わりたいのはお前だけじゃない」てセリフに被せてピーターが鉄格子に飛びつくのが超良かった!一番好きなシーン!!)

メアリ(CV杉咲花)の木から木へ飛び移る姿、斜面を降りる時にバランスをとる仕草。などなど、職人芸を挙げ出したらキリがないほど、動きに関しては本当に驚く程
曲線的で人間味ある動的な動き方をしている。
マダム・マンブルチューク(天海祐希)が噴水から水のイリュージョンのように
出てくるシーンもとても意志を感じる有機的な動きをしている。

先ほどの背景も相まって、実に生命や動物的なものを感じさせる絵作りになっているのは他とは一線を画していたと思う。
(とはいえジブリにとってはもはやお家芸の普通の事って感じに見ちゃうけど)

ジブリ作品より共感しやすい主人公メアリ

まず見終わるとポスターより1、5倍増し位に可愛く見えます。
「一生懸命、運動している女の子は可愛いく見えるの法則」が当てはまるんだと思うんですが、とにかく表情も含めてよく動きます。
見ているとどんどん表情が豊かになっていくのは本当に素晴らしいです。
本作のメアリを嫌いになる人はなかなかいないんじゃないかと思う。

校長のマダム・マンブルチュークにおだてられて嘘もつくし、シャーロットおばさまの言い付けも守らずに森に入っていってしまうようなチョイ悪っ娘だが、一度決めたら一本気の芯を感じる目がとても素敵である。

また魔法の世界に翻弄され続け結構ドタバタとするが、杉咲花が見事に現代的な活発な女の子にアップデートしてくれているのが見ていて逆に新鮮だった。
ジブリの少女は少し浮世離れしていて、そしてタフな今時は絶対にいない女の子だったが、メアリはその燃えるような赤毛以外はどこかにいそうな女の子なのだ。
そんな女の子が囚われの少年を助ける為に魔法世界に挑むという部分がとても入り込みやすく、見やすかった。

私が子供だったらもっと楽しめただろうと思う。
目線はとても子供に為に作られていた。

原作も絵本だし、子供の為の冒険活劇としてはとても良い作品だと思う。

個人的には、喜びに満ちて部屋で歩きながら校長やドクターに褒められたセリフを真似をするメアリがとても可愛らしかったです。

ではここからは、ここがこうだったら良かったのになあパート。

魔法学校で生徒役がいたら良かったのになあ


校長のマダム・マンブルチュークと博士のドクター・デイ(小日向文世)しか学校側のキャラクターはいません。これがとっても寂しかった。
魔法学校をもっと魅力的にさせる為には大人でなくて、学んでいる側の具体的な生徒がいなくてはアニメーション描写のみにその魅力を託すしかなくややパンチ不足だった事は否めません。
一人魔法側での子供のキャラクターがいれば本作はより複雑な王道活劇になっただろうなあと思います。学校が出てくるのに、生徒が全員モブなので学園モノにならなかったのもなんだかがっかりでした。

もっと一つ一つの感情の盛り上がりポイント前に溜めが欲しかった

本作は薄口です。必要な要素が詰まっているんですがどこか盛り上がり切らないまま終わってしまった。なぜか?そう、ためてないからだよ!
ピーターと学校の牢で出会ったところでは、メアリはピーターを見るなりいきなり泣き出してしまいます。
心細かった事、ピーターがきちんと生きていた事、自分のせいでひどい目にあわせて
しまった事。それらのせいで泣き出したんだろうなあ。とは思います。
泣くのは全然いいんです。でも、まずうつむいたりしましょうよ、嗚咽とかもらしたり、じんわり時間をかけて涙が溢れてきたり、普通の話をしている途中涙がすうと
頰を流れたり、そういう前振りみたいのあるじゃないですか。
いきなりブワッて泣かれちゃうとね。わかっていてもついていけないんすよ。
そういう駆け足積め詰めの演出がとても多かったので、エピソードの後ろについていく感情や気持ちって感じで、先に感情がくるシーンがあんまりなかったのが悔しかったですね。

まとめ


とはいえ、魔女の宅急便とは全く違う魔女像がしっかりあったのでそこはやっぱり
メアリちゃんのキャラと王道の冒険活劇だったせいやろうなあと思います。
黒猫で箒で、魔女宅を意識させなかったんだから見事な手腕です。
子供の頃見たらもっといろんな事を受け取れたかなあとは思います。
少しお話がシンプルかつ駆け足すぎた点が少し残念点ですね。

でもシーンごとでは良いシーンはいっぱいありましたので(特に友人ピーター救出に向かう為に鏡に向かうメアリが良かったですね。冒険活劇って感じで。)
次作の米林監督の ”動”のある 映画には期待します!

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