マダガスカル3感想・考察「1.2比較では過去最高傑作。サーカスのミュージカルシーンに込められたカタルシス」

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※結構ネタバレ致します。

マダガスカル3公開ポスター

1、2、3とうなぎ登りに面白くなっている映画なんて今まであったかよ!
という位マダガスカルは回を追うごとに、”らしさ”を尖らせ洗練させていっている。
2も大好きだったけれど、3を見終えてしまった今一番好きなのは3だ。
なぜなら本作には今までの「マダガスカル」が本当に詰まっているからだからだ!

「1行あらすじ」
アレックス一行が三流サーカス団と共にヨーロッパ周遊する中で、そのサーカスショーを人気にしてNYに凱旋しようとする話。

あらすじはこんな感じだけど、いくつかの大切な事を並行して描くことに成功した作品でもある。
93分という短い時間ながら大切な事、ワクワク、美しさ、愉快さを見事に濃縮した文句なく楽しい映画体験だった。

シーンごとがとても有機的に結びついていて、感動トルネード現象が巻き起こります

本作には2つの大きなテーマがある。
1、アレックス一行の帰郷、そして本当の居場所を知る。
2、「不可能を可能に変えよう」と穴から抜け出す敗者復活もの
そのそれぞれのテーマに向けたシーンが分裂する事なく見事に絡み合って進んでいくから感動が力強く渦巻いて沸き起こってくる。

特に印象的なのはアレックス一行がとうとうNYセントラルパークに戻ってきたシーン。
1、2、3通じて見てもとても感慨深いシーンだ。
あれほど帰りたいと願っていたはずなので、いざ着いてみた時寂しそうな様子で呆然と門の前に立つアレックス一行がとても印象的。
あれだけの大冒険を繰り広げ、そのたび成長してきた彼らが今更狭い箱庭の中でマンネリを繰り返す日々に戻れるわけがないのだが、その瞬間初めて彼らそれに気づくのだ。
それをより効果的に魅せる為にダメサーカス団を実にうまく使っている。
彼らを人気者にするべく奮い立たせる為、アレックス自身の口から
「マンネリだからだ。情熱がなくなってしまったら駄目なんだ」
と告げる巧妙さ!
ブーメランとなって自分に返ってくるセリフ。

誰にだって多くの経験の中で、かつての居場所を卒業する時が必ず来る。
本作の中でその場所は、自分たちの望むものを知り、自分らしくあれる場所なのではないかと思う。
とにかく1、2から出ずっぱりの皆がとても活き活きしていた事もある。
アレックスはすっかりリーダーが板について来ていたし、マーティのお調子ものも収まりどころを見つけた感じ。メルマンとグロリアの関係もすっかり寄り添い合うカップルのそれだ。
そういった細かい演出や様子の一つ一つが結びついて、もうかつてには戻れない事を知った寂しさに辿りついているのが分かるから余計にグッと来ました。

脇役が魅力的過ぎです!!

猟奇的で変態超人のデュポア警部がまず最高です。ターミネーター顔負け追跡劇に、捕まえたら標本というシンプルな動機、そして天性のハンターを思わせる顔立ちに獲物を追う時に不意に見せる笑顔がヒール役として最高です。
ザラゴアサーカス団の面々もテンプレじゃないディティールに満ちていてとっても魅力的。
暗い過去を背負った元スター、輪くぐりのロシアントラのビターリ。
実直だけど明るく素直なブランコ乗りのジャガー、ジア。
ちょっと抜けてる、お茶目アシカのステファノ。
デュカティバイクを乗り回すクマのソーニャ。

こんな役割を担ってるから、こういうキャラとか。こういうやついるよねーとかでキャラにしてない。
作者都合で動いていない等身大のキャラクター設定が本当に素敵!
サーカス団員は皆、「サーカスは助け合わなくちゃ」という一言のもと同じ方向を向いているからこそ、
これだけ奔放なキャラクター演出になったんだろうなあと思います。

敗者復活シナリオに盛り込まれた成長感が熱い!

本作では1,2でしつこく描いてきた他者との違いは全く出てこない。
その代わり浮き彫りにされているのは、自分自身の成長。穴を突き破ることだ。
人間大砲となって枠から飛び出すのが夢のステファノや、輪くぐりを失敗して自信を無くしてしまったピターリなど
本作は”穴を抜ける”というテーマが幾度か出てくる。隠れたテーマの中に冴えない自分を抜け出すというものがあるのだ。
これはアレックス一行が成長して帰郷した事とまたリンクしている。
彼らは、1.2で仲間で支えあう事、気持ちに素直でいること。うまくいかなくてもやり直せばいいことを学び成長した。
対照的に本作ではアレックス一行はどこまでものびのびとしている。もう穴を超えた存在として登場しているのだ。
そしてアレックス一行がザラゴアサーカス団を引っ張り立て直していく。
1から追いかけている人にとってとても微笑ましい展開ではないだろうか。

マストゴーオンなアニマルサーカスショーの美しさ、楽しさが素晴らしい

3D演出ならではの3次元的な演出が本当に美しい。カラー蛍光灯を用いるなど、本格ミュージカル映画顔負けの光の極彩色演出がとても華やかだ。ブランコ乗り、ジェットスキー、人間大砲等の空中空間を最大限使った演出もとても気持ち良かった。当初のコンセプトである踊りやショーが大好きな動物アニメ感全開の名舞台だったと思う。

忘れちゃいけないシニカルブラックギャグ担当ペンギンズ!!

今回は、キングジュリアンまで恋愛してしまってギャグ要素が薄まったかというとそんな事はない!
われらが頼れるペンギンズがいてくれる。かわいい容姿とは裏腹の短いながらパンチとフックの効いた小ネタを散弾銃的に出しまくるマダガスカルの剃刀は本作も健在。

隊長「しっかり頼むよ。新人の大学進学の為の金をすべて使ったんだ」
新人「あ~あ、僕もう大統領になれないよお」

「アメリカでこんなこと言うとは思わなかったが、ロシア人が正しい」などブラックギャグたっぷりです。
彼らがいるからマダガスカルは大人の観賞に耐えうるエンタメ作品になってるとつくづく感じる名脇役!

まとめ

ブラックからシュールまで多種多様の笑いあり、絶品カーアクションあり、変幻自在の3Dショーあり、感動あり、成長あり、切なさありとコンパクトな尺の中に色々なものがぎっしり詰まった良作です!

https://ja.wikipedia.org/wiki/マダガスカル3

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