漫画メイドインアビス「絵柄はファンシー、中身はハード&狂気」

※結構ネタバレします(核心には触れません)

漫画メイドインアビス表紙

前に私の大好きな漫画家、幸村誠さんが絶賛してたのを見かけて以来ずっと気になっておりましたが
アニメ化という事で急に市場に出始めたのか、ゲットして1〜5巻(20170725時点では全巻)を一気に読破!

初めはとりあえず様子見やな。って1巻だけ読んだんですが止まりませんでしたね。
一気に残り4巻を鷲掴みしてレジに向かってました。

何がそんなに面白いのか?それは

1巻は未知への冒険に対するワクワクと秘められた謎が気になる!

1巻はとにかくアビスと呼ばれる大穴。その未知の世界の魅力と恐怖がたっぷり
と描かれ、遺物やアビスの呪い、等々色々なキーワードが宝石のごとく輝きながらばら撒かれる。
またリコとレグという主人公二人が色々な人々に大切にされてきた事。
それでも生きては戻れないと言われる大穴へ向かう動機にも触れて心も知識も準備万端いざアビスという感じ。
いわゆる前哨戦ですね。特に私が惹きつけられるのは、アビスという大穴の魅力でしょうか。
背景や怪物や遺物の書き込みが細かくて、とっても世界に入りやすいんです。

また、3巻以降では上昇負荷という枷がガンガン効いてきて、見事な設定だと唸る事になりました。
1巻時点じゃふーんでしたけど。

アビス原生生物と白笛オーゼンの強かさ

2巻です。ここからハードモードです。本作の素晴さは、ここからですよ!。
もうね原生生物からの襲われ方がね、容赦ないんですよ。一瞬の迂闊さが命取り、”どうにかしなけりゃ死ぬ。”って感じで
1巻の和気あいあいさが嘘のよう。本当にアビスって恐ろしいところだったのね…という感じ。
そんで四天王的な存在、一番下の層まで行って帰ってこれた一人オーゼン卿が半端なく強いのはもちろんだけど
原生生物より容赦ねえの。また”どうにかしなけりゃ死ぬ。”って展開。主人公達、すぐに絶対絶命になる。
この厳しさの度合いが他のファンタジーとはまるで違います。
主人公達はなんやかんやピンチを乗り切るやろっていう安易さがない。

穴の中とリコレグのレベルの違いの描写が素晴らしくうまいんですね。
ついでいうと、オーゼンのキャラクターには甘さもない。
「当然墓は掘ったさ」という台詞にも現れる徹底した現実主義者。
この強かなキャラクター感が本作のウリの一つだと思う。

今後もしたたかな、皆さんが大活躍します。
したたか好きはまずもう読みますね。

徐々に明かされていくアビスの謎&深まる生存困難な絶界地感

私初めは、色々などう猛な生物と同じ位不思議な可愛い動物や植物、見たこともない景色に能力、アイテムって
感じに展開するんだと思ってましたけど、3巻(というか第三層)に至って覚えた感想は
アビスってあっという間に死に至る冬山登山や南極制覇と同じ感覚の場所じゃん。って事。
ただ生きているだけが既に難しいんです。ちょっとミスると死ぬんです。
要は13歳の女の子と男の子ロボがいきなり四肢を失う決断に迫られるような冬のエベレスト乗り込むような無理ゲー感があるんです。
人に敵対する理不尽な強さの生物も出てくる。
でもそれとは対照的に魅力な謎も深まるし、新たな深層での未知が出てくる。
人はなぜ謎や未知にどうしようもなく惹かれてしまうのか、抗いがたい冒険心がみなぎっていくのもわかります。

この厳しさ、理不尽さと希望、謎、ワクワクの情報バランスが実にいい感じ。
ページをめくる手が止まりません。男の子は誰だって一度は冒険家に憧れる。
それが誰もなし得ない偉業であればある程憧れが強まる。
この”誰もなし得ない”パートを実に深刻かつリアルに描いた作品なんです。

下に潜るにつれ闇が深まり、むせるような悲哀と狂気に包まれる

色々な顔を持ってる作品ですが、4巻、5巻はダークファンタジーと呼んで差し支えありません。
とにかく理不尽かつ非人道的かつ悲しい出来事やキャラクターが連打で現れます。
その中でもボンポルドという非道残虐狂気キャラクターが最高に尖っています。

人間はここまで残酷になれるのか?最近だと亜人の実験風景なんかを思い出しました。
えぐみ展開ここに極まれるという感じですね。

ナナチという新キャラが仲間になりますが、こいつがまた、りすうさぎ人間みたいなファンシーな絵面なのに
言う事がすごいしっかりしてるんですね。
慎重だし、確実性の高い事をしっかりと伝えてくる。
ここら辺はもう上で十分語りましたので、ナナチ自身が受けた数々の非道と辛苦と悲しみにお話の核がシフト
します。もうとにかく辛く悲しい。「乗り越える」という表現が甘過ぎるように感じる程、残虐さとハードさを帯びた
エピソードが多い。時は戻らず、傷は残り続ける。
だが、わずかながら救いもある。虚しさは切なさに変わり、恐怖は慎重さへと人を変える。
そんなビターな成長も描いている。

傷を負うと身体に残ってしまう道程なのがいい

今更ですけれど、常に生きる事、進む事の苦しさ難しさを突きつけられるリコとレグの二人は傷を負いながら
成長していくんですけれど、これが残る傷なのがいいですね。

ヒックとドラゴンでも書きましたが、傷が絆を深くし、存在としてのレベルを高める教訓を植えつけます。
経験だけ得て、傷は治っていく系のお話もありますが私は断然傷は増えていくタイプのお話が好きです。

レグの戦闘シーンがとんでもなくカッコイイのもこの後半戦だ。

現状だとこんなところです。
7月末に待望の6巻も発売予定となっております。
先行で読む分には、次はナウシカのような人をアビスという摩訶不思議な自然が飲み込んでしまうお話を
描いていきたいのではないかなと感じられます。

とてもテーマがいつもヘビーかつ多彩なので、新刊もとても期待しております。
メイドインアビスは決して裏切らない!!

メイドインアイビス試し読み

https://ja.wikipedia.org/wiki/メイドインアビス